那須烏山市の暮らしぶり

角田 梨紗さんIさんご夫妻本間真二郎先生川崎くみさん

市に越してきた方 -本間真二郎先生/移住者-

本間真二郎先生

市に移住・診療所長に就任して7年、最近ますます忙しい本間先生です。春…農作業も忙しくなりますね。

おかげ様で忙しくしています、2015年秋から始めた講演の依頼が多くて。今や、東北、関西など、遠方で機会が増えました、休診日の日曜しか出られませんしね。春の農繁期は、田植え・夏野菜植えに勤しみたく、講演活動は暫しセーブさせて頂きます(笑)。夏は日の出と共の作業、眠いけど清々しいですよ。

市は、八溝の里山に囲まれた、那珂川と支流の水清らかな農村地帯、市街地内にも農地・菜園が豊かです。

肥料使わず、耕さず。草はむしりません、むしると耕しちゃう、土の構造が壊れちゃうんです。草は、作物の生育を邪魔する丈になった時に刈って、敷きます。土には、深さ1㎝、10㎝、1m、場所毎に異なる微生物が居て、枯れたもの・根などを上から順に分解して…これが養分になる。山も野原も肥料無しで樹や花が育ちますよね。そこにある土・環境のまま、なるべく、その地に在るものだけで作る、これが「自然農」です。
最初に畝を立てて、それだけ。あ、放置じゃないですよ(笑)、選んで作物を育てています。100坪(330m2)の畑に、麦類、雑穀6種類、大豆、小豆、野菜は40種類位、これらを順繰りに育て、それで土を作っていく。豆を作って窒素を豊富にして、次に夏野菜を植えて…小さな畑の循環農業ですね、楽しいですよ~!
草とらない、耕さないからトラクターも要らない、なるべく作業しないから労力は少ない。その土地の自然の仕組みを考えて工夫する、それが自然農。ただ、普通の農業に比べ、採れませんね~(苦笑)、実験農であって時間がかかってます。土がだいぶ変わってきて毎年良くなってますが、数年かかるって農家では辛い!
草はね…重要なテーマですね。お年寄りの皆さんは、働かれる!屈んで草とって、すごい労働して、腰が、腱鞘炎が痛んで、診療所にお出でになる。無理されて、「痛い、痛い」って。何とかしたいですよね、もっともっと考えないと。自然農も伝えたいけれど、歴史も慣習もあってね…。

米は、数家族で作っているとのこと。「趣味」と笑っていますが本格的です。野性味あふれる自然農を試みる今日の先生ですが、移住前は北海道の大学病院勤め。道内病院に奔走し、後半には新生児集中治療室長を務めました。アメリカ国立研究所で研究実績があって、ウィルス学の権威でもあります。さて、何百回も聞かれていることでしょう!「何でまた、北関東の小さなまち、田舎の小さな診療所へ?」

大学病院では月の半分、15日は出張して当直診療。残り半分で研究、後輩・学生の面倒。診療、論文、講義…忙し過ぎて、もはや人間的でなくて。それを数十年続けて、何百人に一人の教授になる…有名ドラマの世界です。私、凝り性で、やるとなると一生懸命で。西洋医学を究めるべく突き進んで、大学病院でバリバリやって…楽しい道でしたね。でもね、楽しいけれど「自然」ではなかった、間逆の「不自然」でしたよね。
札幌時代に、農業、自然農に興味が沸いて、実践する農家を見学したことがありました。興味は続いて、こちらの知り合いの所へ一度遊びにきて。そしたら診療所の先生が勇退されるとか。「来たら?」って言われましたが、「えっ?」ってなりましたね(笑)。決断が必要となりました。
「私が本当に求めているのは何だ?」と考えて、自分自身に聞きましたよね。答えは「自分に嘘をつくな。自分の本当にやりたいことをやれ。」でした。西洋医学を続け、教授に進むも道の一つだが、私はそれを望んでいなかった。もちろん西洋医学の学びは無駄で無かった、それを極める努力があったからこそ、自然系の医療が見えたのです。バリバリやったつもりの西洋医学、自然医療もそうすれば両方から物事が見えるはず。西洋医学と自然医療、両方をやった人は日本にそう居ないはず。
決断でした。自分の意識が変わりました、そして、生き方が変わったんです。

七合診療所に若い後継者がやってきた~。我々に嬉しいニュースは、大学病院の皆さんが驚く大転身によってもたらされました。そんな先生を驚かせたのが大学病院で同僚だった奥様。期待せずに「付いて来る?」って聞いたら「行く。」との答え。「常識的でない、凄い女性だ…。」と思ったそうです。めでたく結婚され、二人で移住となりました。診療所長に就任後のお仕事、さらに現在の講演活動について尋ねました。

昔から患者さんが絶えない人気の診療所でしたが、小児科医の私が赴任して以降は小さな患者さんが増えましたね。さらに、私の提唱する自然系の医療を望む方も増えて…県内各地のみならず、東京から来られる方も。自然医療は未だ珍しい考え方、薬はあまり使わないようにして、全てではありませんが、なるべく自然の力で身体を直しましょうというもの。希望する方に限ってご案内しています。むろん、西洋医学を否定するものでなく、西洋、東洋、自然のお手当て、その他の医療を取り入れた総合的な医療を目指しています。
この自然医療に関わる講演活動、かつては市内で細々とした勉強会程度でしたが、講演会としてみたら…何だか凄い数の依頼になっちゃった(苦笑)。そういう医者って各県でも数える程しか居なくて、自然医療を求める人は私の名前を聞くそうです、口コミで。必要に迫られ、ブログもフェイスブックも始めて…「先生、何やってるんですか?」と言われてます。楽しいけれど、なかなか忙しいですね~。
食事、栄養、健康…今って情報が溢れ過ぎて、勉強する人・調べる人ほど、何が正解かわからない時代。私の講演は、この整理を伝えているつもりです。「こう考えればほぼ間違ってないですよね?」って提案する、多方面から見て整合性のとれる総合的な提案として。色んな角度から、あらゆる例を示して説明しています。そして、その考え方の基軸は「自然に即しているか、どうか」ですね。

健康…お年頃のインタビュアー、色々聞かずにはいられませんでした。糖、炭水化物、塩、お酒、コレステロール、メタボリック…(今回は省略させて頂きます)話題は、先生が自作される発酵食品に及びました。

お手製の味噌。お手製のみりん。「農」の次は「食」ですよね。私は、味噌から醤油へ、米麹を米酢、さらにみりんへと、調味料の大半を自作しています。今の日本人は、繊維、ミネラル、そして発酵食品が足りない。今の発酵食品って「チーズ、ヨーグルト」ってなるけど、動物性で、洋物ですよね。日本の発酵食品は、味噌、醤油、酢、みりん、梅干、納豆、甘酒…植物性のこれらは日本人に合う。さらに、材料を含め、自分で作れる、素材を厳選出来るんですね。また、もう一つ重要なのが「家で作る」ってこと。昔は多くの家が味噌を作って、家に善い菌が飛んでいました。だから、自宅で作って欲しい、家の中を善い菌で満たすのです。善い菌は悪い菌をブロックしてくれる、難しい除菌の可能性も微生物にあるとされています。発酵食品、玄米…自然治癒力、解毒力が高いんですよ。

味噌、みりん、味見させてもらいました。これが美味い!ふくよかで、香り高く、しっかりと素材の味がしました。日曜大工も好きで、お子さん用の本棚、手押し車もお手製!極めたがりの先生は、何でもやりたがり。小児科医を選択したのも、患者さんの全てを看たかったから。そんな先生から色んな話が聞けました…(今回は省略させて頂きます。)最後に、移住を考えている皆さんにメッセージをお願いします。

移住を考える…理由があって、今の人生を変えたいと考える皆さんだと思います。私は「あなたの本当にやりたい事をやって下さい」、「心の赴くままに生きて下さい」と、それが「楽しい人生につながる」と伝えたいです。移住を考える今こそ、自分に正直に生きるべきですよ。あなたの幸せが待ってます。

インタビュアーから一言

ぎんた君と本間先生「不自然な生活がすべての病気の原因」と考え、自然に沿った暮らしによる病気の予防、治療を提案するDr.真二郎は、ユニークで飄々として、探求者でやりたがり、人任せにはしません。為になるけど科学的で難しい、そんな話も解りやすく教えてくれました…スペースの都合上、今回は省略させて頂きましたが、詳しく聞きたい皆さん、講演会に是非どうぞ。現在、皆に請われて“先生にしか書けない本”を執筆中。仰天の商品開発アイデアを持つなど、ネタの宝庫!私達も色々な本お願いしてきたところです。
丸まって昼寝、くろ君忙しさも含めて楽しんでいる先生から、「自然由来の薬によって病が癒える(楽になる)」、そんなイメージが浮かびました。
医療は自然派、ペットは猫派。歓迎してくれたのは、アメリカン・ショートヘアのぎんた君とくろ君でした。
インタビュー当日、お出かけだった奥様には、次回「子育ちの会」のお話をお聞きしたいです。